予混合圧縮着火ガソリン機関の研究(第1報)及び(第2報)
2003
受賞論文賞
受賞理由本論文は内燃機関の究極・理想の燃焼方式として現在注目されている『予混合圧縮着火燃焼方式』を市販のガソリン燃料を用いたガソリン機関で実現し、直接噴射式ディーゼル機関と燃費が同程度でかつNOx、PMフリーの燃焼を行わせる機関の可能性を示したものである。開発の基本コンセプトとして、既存の燃料を使用できること、高負荷燃焼を行わせることが可能であること、熱効率を高めるために圧縮比を高めることなどを設定し、それぞれの項目について、基礎的な実験を積み重ねた結果として上記の可能性を見出している。
このコンセプトを実現する手段としてまず、低中負荷域では予混合圧縮着火燃焼そして高負荷域では予混合火花点火燃焼に切り替える方式を提案した。つぎに給排気弁の開閉に時間差(負のオーバラップ)を設ける方法で内部EGRを積極的に利用し、ガソリン燃料の自発火を促進する方策を提案した。基本的な研究面では混合気の成層化により圧縮着火領域を希薄側に拡大することが可能なことを見出し、燃焼写真の解析によりその拡大のメカニズムが濃度ムラに対応した部分的な拡散燃焼への移行にあることを明らかにした。さらにこの成層化を実現する手段として噴射時期の変更が効果的であることを熱発生率の解析から確かめている。
予混合気にある程度の濃度ムラが存在する場合に、その濃度ムラによって燃焼制御が行える可能性のあることは従来より指摘されていることではあるが、本研究は濃度ムラの効果を実験的に明確に示した点、噴射時期とバルブの開閉タイミングという実用化の可能性の高い技術で濃度ムラを制御した点などが、本研究の優れたところあり、自動車技術会の論文賞に値する研究である。
関連文献自動車技術会論文集Vol.33, No.2, 2002
受賞者森川 弘二(富士重工業株式会社)
金子 誠(富士重工業株式会社)
伊藤 仁(富士重工業株式会社)
最首 陽平(富士重工業株式会社)

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