LIIによるディーゼル筒内スートの定量測定
2005
受賞論文賞
受賞理由 ディーゼル機関は熱効率に優れ二酸化炭素排出量の低減にも寄与する反面、PM(微粒子)の排出を低減しないと都市部での使用は困難になりつつある。そこでエンジンシリンダ内でのすすの計測診断技術の開発が重要となっている。とくにエンジン内の現象を光学的手法を使って、実際の燃焼状態と同じ条件下で計測を行う重要性が指摘されてきた。
 本論文ではこのような要求に対し、レーザ診断技術を使うことで一つの答を見いだした先駆的な内容からなっている。具体的には、まず定量的精度を検証するためにバーナを使った基礎的実験を行った後、実機の条件下でも10%の定量誤差範囲内ですす濃度の計測を可能にした。この手法を可視化エンジン内のディーゼル燃焼に対して適用し、すすの生成過程の解析を行い、すすの生成が局所的に集中的におきること、サイクル毎の変動が大きくカオス適用相を呈することなどを明らかにした。さらに、燃料噴射方法とすす生成との関連性についても調べ、噴射末期に噴射圧力が低下することで高濃度のすすが生成されることを明らかにした。また、燃料組成とすす生成との関連性についても調査した広範で貴重な結果も含んでいる。これらの結果はディーゼル車のPM低減につながる重要な技術であり、今後のエンジン開発に多大な貢献が期待され、論文賞に相応しいと認められる。
(LII:Laser-Induced Incandescence)
関連文献自動車技術会論文集 Vol.35,No.1,2004
受賞者稲垣 和久(株式会社豊田中央研究所)
高須 施聞(株式会社豊田中央研究所)
中北 清己(株式会社豊田中央研究所)
渡部 哲(トヨタ自動車株式会社)

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