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 車両安定制御システム
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普通のドライバーは、車両が横すべりの状況におちいると殆どの人がパニック状態となってしまい、危険を回避する適切な操作を行うことはなかなか難しい。路面状況変化の読み違いや急なハンドル操作による操作ミスなどによって、車両が横すべりして操縦不能となり事故に至るケースは比較的多い。従来技術のABSは制動の安定性、TRC(トラクションコントロールシステム)は加速の安定性を確保するシステムであり、横すべり現象をカバーしうるものではなかった。VSCは、この横すべりの予防安全性能を向上する車両安定性制御システムである。
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保管場所:トヨタ自動車株式会社
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製作(製造)年:1995
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製作者(社):トヨタ自動車株式会社
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資料の種類:量産システム
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現状:使用中・公開
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型式
通称名:
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型式 / 重量
会社名:トヨタ自動車株式会社
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実物所在:使用中・公開
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搭載車名:1995年発売の新型マジェスタ i-Four、他
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製作年:1995
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構造・方式・手段・方法:【VSCの構成要素】
ヨーレートセンサー:車両の鉛直軸と平行になるように搭載し、車両の鉛直軸回りの回転角速度(ヨーレート)のみを検出
Gセンサ:車両の重心位置近くに水平に固定し、車両重心の前後・左右方向の加速度を検出
操舵角センサ:ハンドルの裏側に取り付け、ドライバーのハンドル操作をダイレクトに検出
ブレーキ圧センサ:VSC油圧制御ユニット上に取り付け、ブレーキ圧の変化を検出
車輪速センサ:各車輪に取り付け、各車輪の回転角速度を検出
スロットル開度センサ:ドライバーのアクセル操作と、VSCによりエンジン出力制御を行う場合のスロットル開度を検出
VSC油圧制御ユニット:車輪の加速・減速スリップが発生したときにはTRC・ABS機能を、車両が横すべりしたときにはVSC機能を発揮し、各車輪に制御油圧を供給
スロットルアクチュエータ:VSCがエンジン出力制御を行う場合にスロットルバルブを開閉
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機能・作用:【ドライバーインフォメーション】
車両やタイヤのグリップに危険が迫っていることをドライバーに、視覚(インジケータ)および聴覚(ブザー)で知らせる。

【VSC制御】
VSCの制御は、車両状態演算部、制動力制御演算部、駆動力制御演算部で構成している。
(車両状態演算部)各センサの信号をもとに車両の安定度合いを判断し、車両挙動状態(安定性、コースずれの程度)を演算。演算した車両状態を他の演算部へ伝達し、車両状態が不安定になった場合にはスリップインジケータおよびブザーによりドライバーに知らせる。
(駆動力制御演算部)車両状態にもとづくエンジン出力目標の演算を行い、その出力目標になるようにスロットルアクチュエータを駆動する。
(制動力制御演算部)車両を安定状態に復帰させるための各車輪の制動力を演算し、ブレーキ油圧制御ユニットへの駆動要求値を演算する。この要求値をABS制御演算部に送り、VSC制御とABS制御の要求を整合させ、ブレーキ油圧制御ユニットを駆動する。

【VSCの効果】
テストコースで、直進走行中に側方から不意な飛び出しに遭遇し、とっさにハンドルを切って再び元の走行レーンに戻るという試験をVSC装備有無の車両で行った。
(VSC未装備車両)元のレーンに戻る際の揺り返しで後輪横すべりを起こし操縦不能となり、最終的にスピンしてコースを逸脱
(VSC装備車両)車両安定性を失うことなく、障害物を回避し元のレーンに復帰
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技術要旨:【VSCの運動制御の基本】
車体や車輪の横すべり状態に応じて4輪独立にアクティブ製動力を加えることによって、旋回モーメントと減速力をコントロールして旋回安定性やコーストレース性を確保する。
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参考文献:山本 横すべり抑制のための車両安定性制御システム(VSC)、自動車技術会シンポジウム
「タイヤ―車両系の最新技術」、No.9602 Symposium 1996
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