会長ごあいさつ

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会長 寺師 茂樹

1980年 トヨタ自動車工業㈱(現トヨタ自動車(株))入社
2005年 第1 トヨタセンターZS エグゼクティブチーフエンジニア
2008年 常務役員
2011年 トヨタモーターエンジニアリングアンドマニュファクチャリング
ノースアメリカ(株)(TEMA)取締役社長兼COO
2013年 専務取締役
2015年 取締役副社長
2020年 取締役・執行役員,現在に至る

昨年,令和時代の幕が開けました.「令和」という元号には,人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ,という意味が込められているそうです.

1000年前,清少納言は「枕草子」を著し,友人と遊ぶために牛車を使ったり,自分の想いを伝えるために和歌を送ったりした様子を記しています.

現在,移動には自動車や電車が使われ,遠い目的地に早く着けるようになりました.自分の想いを伝えるにはメールやSNSが使われ,クリック一つで送ることができるようになりました.

技術の進化によって,手段は大きく変わりましたが,誰かとつながりたい,自分を理解してほしいという気持ちは普遍的であると考えられます.世の中が求める技術とは,その時代を生きる人の気持ちに寄り添った技術ではないでしょうか.自動車業界ではCASEと呼ばれる技術革新が起きている最中です.このような大きな変化が起きている時代の技術者が,変化のスピードについていくためには,つながりたい人や理解してほしい人を幸せにできるかという視点が重要だと思います.この視点を持つためには,社会情勢や市場動向の理解に努め,積極的に異分野の技術者と交流することが不可欠です.

これからは人々が豊かな気持ちになれるよう,暮らしを支えるあらゆるモノ,サービスが情報でつながる時代となっていくと思います.

具体的には, 自動車だけでなく, 自動運転,MaaS,パーソナルモビリティ,ロボット,スマートホーム,AIなどの新しい技術がつながります.一人,もしくは一企業でこれら全てをデザインすることはとてもできません.

自分の専門領域の知識や経験を深め,自分とは異なる分野の専門家と新たに仲間になり,新しいものを作る.さらに,その製品を使ったライフスタイルを提案し,その製品を使った人同士がつながり,新しい文化が育まれ,新しい社会が生まれるでしょう.

2020年5月現在,各国・各地域で多くの方々が,新型コロナウイルス感染症を克服し,日常生活を守ろうと奮闘しています.お亡くなりになられた方へのお悔やみと,体調を崩された方々へのお見舞いを申し上げます.現段階で先行きは見通せませんが,自動車技術会は健康と安全を第一に様々な活動に取り組んでいきます.2020年は自動運転技術の普及期を目前に控えた年であり,新しい社会の実現が加速すると考えます.新しい社会の誕生を見据え,自動車技術会は産学官連携体制を強化し,研究開発の加速に邁進し,技術者同士の技術交流の促進を行うとともに,国際・国内標準化活動をより一層推進していきます.

清少納言は「枕草子」をひらがなと漢字の混じった和文で書き上げ,ひらがなと随筆の発展に貢献しました.

自動車業界も,CASE技術が混じりあい,融合しようとしています.過去に学び,今を生きる人の気持ちに寄り添った技術開発を行い,1000年後の未来を生きる人々に感謝してもらえるような取組みを皆さんと一緒に進めていきたいと思います.

(2020年6月発行 自動車技術会会誌「人に寄り添い,技術をつなぎ,新しい暮らしを」より)

他メディアに掲載された会長インタビュー

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