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Vol.14 No.1

カーボンニュートラル燃料 3
宮川 浩
Hiroshi MIYAGAWA
エンジンレビュー編集委員/(株)豊田中央研究所
JSAE ER Editorial Committee / Toyota Central R&D Labs.

講演紹介

 増田ら(1)は、舶用機関からの温室効果ガス低減をねらいに、アンモニアの燃料利用について発表した。ベースとなるディーゼルエンジンの吸気系にアンモニアを予混合気として供給し、パイロット燃料(A重油)による着火、燃焼を行っている。まず、急速圧縮装置、単筒エンジンを用いてパイロット燃料量一定の下で安定運転可能な総当量比範囲(図1)を見出した。実機においては、この当量比を維持し、過給により負荷調整することで、アンモニア混焼率を90%以上としつつ、従来のディーゼル燃料、天然ガス混焼時と同等の熱発生率を得た(図2)。なお、図1に示した運転範囲では、NOxの排出が増大するが、後処理により、規制値以下とできることが示されている。
 加えて、二重燃料配管、クランクケース内の負圧化といった安全対策についても述べられている。本エンジンは、タグボートに搭載され24年より実証試験を行うことが予定されており、船舶におけるアンモニア利用の先駆けとなることが期待される。

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【参考文献】
(1) 増田 裕、眞島 豊、相場 宏樹、宮内 健太、廣瀬 孝行:舶用4ストロークアンモニア混焼機関の開発、第34回内燃機関シンポジウム講演予稿集、No.20234655