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CI機関 1(CI 1)

 岸上(1-1)らは,「近接アフター噴射が小型ディーゼル機関の性能・排気に及ぼす影響」と題し,メイン噴射とアフター噴射の間隔,さらにはアフター噴射量,吸気圧力,噴射圧力が機関性能および排気に及ぼす影響を調べた.図1-1にメイン噴射に対する噴射間隔の定義を,図1-2に噴射間隔に対する機関性能と排気特性を示す.図から,アフター噴射なしの条件(ppM)と比較すると,アフター噴射ありの条件では冷却損失が減少し,熱効率が向上することがわかる.ただし,冷却損失低減効果は噴射間隔1-2°CA程度で最大となり,その後は増加に転じている.論文では吸気圧力,噴射圧力を変化させた条件についても体系的に調べており,吸気圧力が高い条件を除き,アフター噴射は等容度の大きな低下を防ぎつつ冷却損失を低減し,熱効率を向上するのに効果的であると述べている.また,発表では筒内可視化画像も示されており,今後,さらなる観察やCFDを併用し,現象理解が進むことと期待される.(橋本)

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【参考文献】
(1-1) 岸上稜,包智超,尾本千紗,堀部直人,川那辺洋,石山拓二,近接アフター噴射が小型ディーゼル機関の性能・排気に及ぼす影響,2019年内燃機関シンポジウム,講演番号15