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Vol.11 No.7

排気触媒システム I -DeNOx-
細谷 満(本誌編集委員、日野自動車株式会社) 

Mitsuru HOSOYA (JSAE ER Editorial Committee / HINO MOTORS Ltd.)

講演紹介(1)

 奥田ら(1)はガソリンエンジンの排出ガス中のNOxなどの有害成分を高効率に浄化する三元触媒の改善を推進した。性能、耐久性の改善を目的として、セリアとジルコニアの混合物を1700℃で焼成して製作されるパイクロア構造のセリア-ジルコニア固溶体(CZ材)に着目した。三世代に亘り研究開発を行い、第一世代では構造耐熱性の改善、第二世代では低温での酸素放出能の向上、第三世代では耐熱性を維持しつつ酸素放出能の低温化・反応速度を向上させた。第二世代のCZ材はプラセオジム(Pr)をCZ結晶子のCeサイトに置換することによりセリウムの還元を促進し、酸素の放出の低温化を実現した。図1に400℃から600℃における酸素吸放出能(OSC)を測定した結果を示す。特に400℃でのOSC向上が確認され、Pr添加の効果を実証した。この取り組みにより触媒環境を改善し、触媒の実用化に繋がったことは大きな成果と言える。

【参考文献】
(1) 奥田 卓也、千葉 明哉、阿部 元哉、三浦 真秀、信川 健、森川 彰:高耐熱性パイロクロア型CeO2-ZrO2材料の実用化と高機能化、自動車技術会2021年春季大会学術講演会講演予稿集、No.20215148