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Vol.13 No.1

燃料電池自動車
清水 健一
Ken-ichi SHIMIZU
編集委員、早稲田大学
JSAE ER Editorial Committee, Waseda University

 セッション名が示すように、今回はFCそのものではなく、FC駆動の車両に関する3件の発表のみであった。うち2件が車両の評価法で、種々の電動車両も一律の評価尺度が求められている背景がある。

講演紹介 1

 ICEVの燃費に相当する燃料電池車の水素消費量は、試験用の高圧水素容器から水素を供給し、試験前後の質量変化で求める質量法が基準で、容器の圧力変化や、供給水素の流量を積算する方法が、基準に準ずるものである。これらは試験車両に改造が必要なため、ICEV市販車の生産適合性試験に必要な燃費・排ガス試験に準じた、車両の改造が不要なCVSによる酸素バランス法(排出ガス中の酸素濃度変化量を計測)が提案されている。矢野ら(1)は、この提案に続き、希釈が不要でより簡単な設備で実施出来、準リアルタイムの燃費計測が可能な、テールパイプでの直接計測による酸素バランス法の可能性について検討し、市販FCVでの試験について紹介した。
 試験前の非反応性ガス(URG)と酸素の体積密度、試験中のこれらと水の体積密度と排気ガスの流量を計測することで酸素消費量を排気側だけで把握出来ることが特徴(乾燥気体を前提。詳細は(1)を参照)で、図1に示す質量法と流量法で同時計測する方法で、直接法の精度の確認を複数のモード試験で行った結果を紹介した。排気口直後への検出器類の設置状況を図2に示す。直接法は概ね良好な結果が得られるものの、基準の測定値より大きめになる傾向があり、加減速を繰り返す試験では、不規則なばらつきがみられる。これが気液分離の不完全さである可能性に触れ、詳細は今後の課題とした。

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【参考文献】
(1) 矢野 勝、羽二生 隆宏:直接計測法を用いた酸素バランス法による車両改造不要なFCV燃料計測手法の開発,自動車技術会2022年秋季大会学術講演会講演予稿集、No.20226223