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Vol.13 No.3

水素・ガスエンジン
遠藤 浩之
Hiroyuki ENDO
本誌編集委員、三菱重工エンジン&ターボチャージャ
JSAE ER Editorial Committee / Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd.

講演紹介(1)

 岸本ら(1)は、軽油着火式二元燃料ガスエンジンにおいて、エンドガスの自着火を利用するPREMIER燃焼に関する研究成果を発表している。PREMIER燃焼は、ノッキングと通常燃焼の合間に出現し、通常燃焼よりも高い出力と熱効率を得られるものの、その出現範囲が狭い問題があった。そこでEGR(排ガス再循環)を用いて燃焼反応を緩慢にすることによるPREMIER燃焼への影響を調査している。試験結果を図1および図2に示す。EGR率を60%まで増大することでNOxを200ppm程度に抑えたまま噴射時期を進めることが出来、図示熱効率ηiが改善している。ただしTHCが多い点がデメリットとして残っている。またPREMIER燃焼の出現する噴射時期を図3に示す。EGR率増大に伴ってPREMIER出現範囲が広がっていることが分かる。軽油着火式燃焼は、アンモニアやメタノールの燃焼方式としても活用されており、本報告の知見の展開が期待される。

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【参考文献】
(1)岸本 憲悟、河原 伸幸、小橋 好充:「軽油着火式二元燃料ガスエンジンにおけるPREMIER燃焼(EGRがエンドガス部自着火に及ぼす影響)」、第33回内燃機関シンポジウム予稿集、No.22-60