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Vol.12 No.1

水素エンジン
小池 誠
Makoto KOIKE
本誌編集委員
JSAE ER Editorial Committee

講演紹介(1)

 東京都市大学では独自の筒内噴射系を用いた点火燃焼方式PCC(Plume Ignition and Combustion Concept)エンジンの研究開発を行っている。PCCエンジンは圧縮行程後半に噴射する希薄燃焼方式でありながら、排出NOx 濃度を低く抑えられる特徴がある。本シンポジウムでは高圧縮比化に対する検討結果として、圧縮比20:1、空気過剰率(λ)3.5~4.5の希薄条件で図示熱効率52.4%を達成し、特にλ≃4.5でNOx 濃度を1桁に低減できたことが報告された(図1)。同時に報告された過給による高トルク化の可能性については、試験条件に最高筒内圧力や噴射圧力に制約があるように思われ、今後、試験装置の改良が期待される。

【参考文献】
(1) 吉間 達郎ほか、筒内直噴ニアゼロエミッション水素エンジンの高圧縮比化による熱効率向上の効果、第32回内燃機関シンポジウム予稿集、No.20214827.