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Vol.12 No.1

ノッキング
大西 浩二
Koji Onishi
本誌編集委員
JSAE ER Editorial Committee

講演紹介(1)

 中村ら(1)は(図1)に示す2ストローク空冷の可視化ガソリンエンジンで点火位置と筒内流動を変化させて、それらがノッキング発生に及ぼす影響を調べた。3種類の点火位置と2つの掃気ポートの開放/閉塞を組み合わせて計9種類の仕様を設定し(図2)、それぞれの仕様で点火時期20°BTDCと40°BTDCで運転して(図3)(筒内圧力波形)と(図4)(可視化画像)に示す結果を得た。画像データには火炎伝播による燃焼と、未燃領域での自着火およびその成長がとらえられており、ノッキングと新気の分布やガス流動を関連づける考察に示唆を与えてくれる。長いノッキング研究の歴史で得られた知見を、現代の実験技術を用いて目に見える形で実証していると感じた。

【参考文献】
(1) 中村 颯汰、木村 豪来、飯島 晃良:筒内温度と混合気濃度の不均一性が自着火やノッキングに与える影響の調査、第32回内燃機関シンポジウム講演予稿集、No.20214849