TOP > バックナンバー > Vol.16 No.4 > 先進火花点火機関III - CN 技術-
水素直噴エンジンにおける筒内の水素混合気形成は燃焼安定性とエンジン性能向上に直結する重要な要素である。従来のCAEによる解析ではインジェクタ単体の噴流モデルが主だったが、エンジン実機運転時の気流や圧力変化の影響を詳細に把握することが課題だった。久野ら(1)は、ガラスシリンダを用いた可視化エンジンと特殊レンズの組み合わせによるシュリーレン法を適用し、エンジン運転条件下で水素噴流の拡散挙動を可視化した(図1)。石英ガラスシリンダによる屈折を解決するため非球面レンズの検討を行い、入射光が並行光となるような補正レンズを設計した。これにより、インジェクタ先端キャップの有無(図2)による水素噴流の筒内拡散挙動の違いを観察できた。結果として、実機運転時の水素噴流の拡散や渦形成の様子を把握し、燃焼室内の混合状態やシュリーレン撮影の限界も明らかになった(図3)。
筒内の噴霧・混合気挙動を可視化することは、現象を理解する上で重要であり、バックファイアなどの異常燃焼を防止するための混合気形成技術の構築につながると期待される。
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