TOP > バックナンバー > Vol.15 No.7 > 先進ディーゼル機関技術
トヨタ中央研究所稲垣ら(1)は、これまで現実的な方策とは見なされてこなかった水添加の高度化を試みた。すなわち水をシリンダ内に直接噴射して、要所に水が配置されるような成層化を行うことでsoot等の悪化や水の消費量を抑制しつつ最大限のNOx低減を図ろうというものである。本報は第2報ということでIMEP1.2MPaの高負荷を対象に検討を行っている。
数値計算による成層化の影響として、水を均一に配置したケース1、燃焼室上方のみには位置したケース2、キャビティ外周部に配置したケース3の3条件で比較を行った(図1)。結果(図2)を見るとケース2ではケース1よりもNOxが低減し、ケース3では逆に増加した。これはケース2では多くの水が噴霧に巻き込まれて効果は上げたのに対し、ケース3ではそれがほとんど起きないためとしている。
実機における効果の検証では、水のインジェクタはサイドに配置した(図3)。パフォーマンスとして、水を燃料の50%添加したときの燃費悪化はEGRと同等で、等soot条件ではEGRのみの場合と比較してNOxを40%低減できたという(図4)。
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