TOP > バックナンバー > Vol.15 No.7 > 先進ガソリン機関技術Ⅳ-進化する火花点火技術-
飯島ら(1)は電動パワートレイン用の内燃機関として、高出力密度、高熱効率、低振動を実現し得る、2ストローク対向ピストンエンジンに着目している。そして、その可能性を探るため、試作エンジン(表1)を作成し、吸排気形態は図1に示すように、一方向に作動ガスが流れるユニフロー掃気を行い。点火位置は図2に示すような、1点点火と2点点火を比較し、その燃焼への影響を評価している。実験結果を図3に示す。2点点火の方が高い軸出力L、正味平均有効圧力(BMEP)を得られている。また、図4に60サイクル分の筒内圧力最大値(Pmax)を示す。1点点火ではPmaxが低く変動も大きい。これは前のサイクルの残留ガスの影響だと考えている。2点点火条件では、Pmaxが高く安定した燃焼が行われており、残留ガスで希釈された条件下でも2点点火の有効性が示されているという。本研究はまだ始まったばかりとのことであり、今後の進展にてメカニズム解明や超希薄燃焼の実現、および熱効率向上や排気特性改善の取り組みに期待したい。
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