TOP > バックナンバー > Vol.15 No.7 > 水素エンジン
良知ら(1)は、水素エンジンにおける低NOx排出と高熱効率の両立を課題とし、高過給・ポート噴射方式の水素エンジンを用いた実験的検討を行った。本研究では、空気過剰率や点火時期の最適化により、空気過剰率λ2.5以上でNOx排出量をディーゼル規制相当の0.4g/kWh以下に抑えつつ、高効率な燃焼を維持できることを確認した(図1)。さらに、空気過剰率を最適化することで、排気損失は増加するものの冷却損失が減少し、2000min⁻¹・BMEP = 0.65MPa条件では、ほぼ50%という非常に高いグロス熱効率を達成した(図2)。また、希薄燃焼下でも燃焼効率は99.8%以上を維持することを確認した。従来技術を活用しつつ、脱炭素化に貢献する水素エンジン開発に向けた有望な成果を示しており、今後の進展が期待される。
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