TOP > バックナンバー > Vol.15 No.7 > ガスエンジン・カーボンニュートラル化技術

Vol.15 No.7

ガスエンジン・カーボンニュートラル化技術
菊池 勉
Tsutomu KIKUCHI
JSAEエンジンレビュー編集委員長
JSAE ER Editorial Committee

講演紹介(1)

 水素エンジンを対象にした本研究では、残留ガス中のNO濃度が着火遅れ時間に与える影響を新たに考慮したノッキングモデルを提案し、従来のモデルと比較してその有効性を検証した。本研究により以下を明らかにした。
 ① 水素燃焼では、ガソリン燃焼と比較してEGRガス中のNO濃度が着火遅れ時間に与える影響が大きいことが確認され(図1)、水素エンジン用のノックモデルにはNO濃度の考慮が必須である。
 ② Livengood-Wu積分値が1.0に到達した着点における筒内燃焼率の閾値(≦0.66)によって、NO濃度を考慮したノッキング発生の有無を判別できることが示された(図2)。
 今後水素エンジンの性能向上と実用化に向けた新たな設計要因が、継続して研究されることを期待する。

×

この記事(あるいはこの企画)のご感想、ご意見をお聞かせください。
今後のコンテンツづくりの参考にさせていただきます。

コメントをお寄せいただきありがとうございました。

職種

職種を選択してください

コメント

コメントを入力してください

閉じる
閉じる
【参考文献】
(1) 神戸 浩揮、増田 糧、田中 剛:水素エンジンの異常燃焼に関する研究、自動車技術会2025年春季大会学術講演会講演予稿集、No.202551558