TOP > バックナンバー > Vol.15 No.7 > 蓄電システム技術の新展開
小鹿ら(1)は既報(2)(3)にて充電曲線解析法(CCA)を提唱し、リチウムイオン電池におけるセルの熱暴走の危険性検出手法としての可能性を示してきた。今回の講演ではモジュールを評価対象とし、安全性診断と容量推定を行う手法としての検証を行った。
まず安全性に関する閾値を設定する目的で、各種条件で充放電を行ったセルのCCAを実施した。負極実効容量が98%より少ない場合は熱暴走が発生しうると考え、レーザ照射による加熱で熱暴走を起こす場合を非安全と定義した。最後にレーザ照射による熱暴走試験を実施し閾値の有効性を実験的に確認した。
続くモジュールを用いた実験では、新品のセル4個で構成されたモジュールと、1個だけ使用済みセルに置き換えた比較用モジュールに対し、CCAで内部状態と動作状態を推測し、閾値による安全性評価を行った。評価では使用済みセルを含む比較用モジュールは非安全と判定される状態とされ、また評価結果をモジュール内のセル単位での容量として表示することができる。モジュールの放電容量の推測値と実測値は良い一致を示し、この手法によりモジュールの安全性評価が可能であることが示された。
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