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ローランド(筑波)号

  • ローランド(筑波)号

若い頃にオートバイ・レースに夢中になっていた川真田和汪は、1929年頃から自動車の試作を始めていたが、アメリカの前輪駆動車コードにあこがれ、FF車の操縦性の良さに注目して、本車の設計をしている。 鳩山一郎や渋沢栄一の資金援助により、1931年にローランド号を作り、1934年に東京自動車製造KKを設立する。
筑波号の前身は、「みずほ」号であるが、当初から量産を考えており、エンジン、シャシー、ボディなどはすべて外注によって製作され、会社は組立と販売に徹している。 したがって筑波号は、当時としてはめずらしくも130台と大量に作られ、中国にも輸出している。
日中戦争が盛んになると自動車製造事業法が成立し、中小の自動車会社は生産許可とならず、材料の入手もままならず、閉鎖することになる。 川真田和汪は、小工場と組んでレーサーを製作し、ハネダ号と名付けて多摩川オートレースにて活躍するが、整備や耐久性に難があり、ダットサンに負けている。

保管場所 トヨタ博物館 (〒480-1131 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番100号)
製作(製造)年 1932
製作者(社) 東京自動車工業,川真田 和汪
資料の種類 量産車
現状 展示(動態)・公開
車名 / 製作
車名
筑波号
モデル名
ローランド
会社名
東京自動車製造
製作年
1932-1938
設計者
川真田和汪
協力者
鳩山一郎、渋沢栄一
車種・用途
小型乗用車
実車所在/模型
トヨタ博物館
型式 / 重量
スタイル
フェートン(セダン)
ドア数
2ドア
乗員
4名
車両重量
約500kg
エピソード・話題性
約130台作られ、中国に輸出、ローランドの改良型
車体 / 寸法
構造
鋼板プレス式
バンパー
なし
ステップ
あり、フェンダーと一体
全長
約3,200mm
全幅
約1,200mm
全高
約1,500mm
特徴
コードを手本にしたFFトランスミッション前置縦置エンジン
車体 / 車軸 / 操縦 / 付属
フレーム
メンバー
前軸
独立式、横置1/2リーフ
後軸
独立式トレーリングアーム縦置1/4リーフ
軸距
約2,400mm
前トレッドx後トレッド
1,050×1,050mm
車高調整
なし
ステアリング
アッカーマン式
ダンパー
なし
スタビライザー
なし
走行安定装置
なし
特徴
4輪独立サスペンション、ボディは腹白ボディ、フレームはプレス工業、トラックもあり、筑波はリジッド横リーフ。
機関 / 寸法 / 出力
冷却/気筒配列
水冷/侠角V4
弁機構
SV
気化器
上向
内径x行程
56×76mm
排気量
736cc
点火系
接点式デスビ付
最高出力/回転数
18HP/4,000rpm
排気浄化
消音マフラーのみ
過給機
なし
可変システム
自動進角点火
特徴
侠角25°V4エンジンは目黒製作所製、ラジエターは日本ラジエター、気化器はゼニス製
ハイブリッド
ハイブリッドシステム形式
なし
駆動系
変速機
MT3
駆動方式
FF
性能
モード燃費
-
参考文献トヨタ博物館資料、カーグラフィック、二玄社、1986年
その他事項シャシー重量:約400kg;前照灯:2;ワイパー:バキュウム;ウォッシャ:なし;足ブレーキ:ロッド・ブレーキ、ドラム;手ブレーキ:リヤー・ロッド式;比出力:24.4HP/L;最終減速:ウオーム;最高速度:60km/h