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民生 リヤエンジンバス

  • 民生 リヤエンジンバス

航空機の製造技術を応用してフレームを省略し車体の表皮により強度と剛性を持たせ、エンジンを車体後部に搭載した我 が国初のモノコック構造のリヤエンジンバス 。
1945年に米国駐留軍が日本に持ち込んだGM社(General Motors )のリヤエンジンバスを参考にしながら製作した。前後の窓の形状がGM車に似ている。
車体の全長にわたり座席が設けられる上、 視界が良い。 この頃の車体にはいわゆるスタンディングウィンドーがなかった。
フレームがないので後軸上の床面通路幅が広く平らになり、ベンチシート車の場合、座席に座りやすくなったほか立った乗客の足のスペースがゆったりした。
エンジンはドイツ クルップ・ユンカース( Krupp-Junkers )式対向ピストン3気筒直接噴射式のKD3型である。 このエンジン にはシリンダヘッドがなく、筒型のシリンダ内に上下方向から2 コのピストンが対向して燃焼室を形成するという珍しい構造をし をしていた。民生は当時我が国唯一の直接噴射式自動車用エンジンメーカーであった。
エンジンの搭載方向はクランク軸が車体の長手方向と直角で、 70度のアングルドライブを介して後車軸を駆動する。

保管場所 日産ディーゼル工業株式会社 (〒362-8523 埼玉県上尾市大字壱丁目1番地)
製作(製造)年 1949
製作者(社) 民生デイゼル工業株式会社
資料の種類 文献
現状 保存・公開
車名 / 製作
車名
民生コンドルリヤエンジンバス
モデル名
BR30
会社名
民生デイゼル工業株式会社(現日産ディーゼル工業)
製作年
1949
設計者
民生デイゼル
協力者
富士自動車工業株式会社
車種・用途
大型バス・観光用
実車所在/模型
なし
型式 / 重量
スタイル
箱型バス
ドア数
前1+非常口1
乗員
座45+立10+他2名
車両重量
6,950kg
エピソード・話題性
国産初のモノコック式観光用リヤーエンジンバス
車体 / 寸法
構造
応力外皮構造
リベット打ち鋼板製
バンパー
プレス鋼板
ステップ
1段(ステップ段差395mm)
全長
10,390mm
全幅
2,450mm
全高
2,785mm
タイヤサイズ
36×8
特徴
航空機製造技術を応用。軽量で剛性の高い応力外皮構造を採用した日本初のモノコックリヤーエンジンバス。
車体 / 車軸 / 操縦 / 付属
フレーム
なし
前軸
鍛造Iビーム逆エリオット式/並行重ね板ばね/可変有効長なぎさ式
後軸
鋳鋼バンジョー軸管全浮動式/並行重ね板ばね/可変有効長なぎさ式
軸距
5,300mm
前トレッドx後トレッド
1,775×1,730mm
車高調整
なし
ステアリング
ウオームアンドローラー式
ダンパー
円筒型油圧単動式
筒型油圧式
スタビライザー
なし
走行安定装置
なし
特徴
ばねの後端がコンタクト式でばね荷重の増加と共に有効長が短くなるなぎさばねで積空時共に乗り心地が良い。
機関 / 寸法 / 出力
冷却/気筒配列
水冷/対向ピストン直列3気筒
弁機構
吸排気共ポート式
内径x行程
85×(144+96)mm
排気量
4,086cc
最高出力/回転数
90PS/1,500rpm
特徴
ドイツクルップユンカースの製造
特許を導入して生産した対向ピストン形単流掃気式2サイクル直噴エンジン。ノズルは開弁圧0の開放式
ハイブリッド
ハイブリッドシステム形式
なし
駆動系
変速機
70度転向機付前進4段後退1段コンスタントメッシュ式
駆動方式
RRエンジン横向き
性能
モード燃費
-
参考文献民生技報第5号1~9頁、鶴海準二郎「民生リアーエンジンバスの各部構造について」1952年5月。 社報「みんせい」創刊号2頁、1950年4月。
民生技報5号10~14頁百瀬晋六「新型コンドルについて」1952年5月。
その他事項シャシー重量:適応せず;積載量:なし;前照灯:丸2灯;ワイパー:2連式;足ブレーキ:エアーアシスト油圧式;手ブレーキ:バンド式(変速機後端);燃焼及び作動方式:直接噴射2サイクル;点火方式:圧縮着火;圧縮比:17:1;比出力:24.5PS/L;燃料噴射:ユンカース式無気噴射衝突ノズル;掃気方式:単流ポート式(上方吸気);掃除機:往復式上方ピストン直結;排気浄化装置:なし;クラッチ:乾燥単板式;終減速機:70度スパイラルベベル減速比4.71;減速比:0.95×4.71
又は1.112×4.71;最高速度:62km/h;燃費率:4.5~5.5km/L(60km/h);駆動系(特徴):日本で初めてのリヤーエンジン横置き式バス。70度のアングルドライブを採用。変速機のリモコンは3本ロッド式。