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VVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)

  • VVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)
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従来のエンジンではスロットルバルブで吸気量をコントロールするが、VVELでは、アクセルペダルの踏み込み量に応じて、エンジンの吸気バルブの作動角(開弁期間)とリフト量の両方を連続的にワイドレンジに可変制御する。従来のバルブタイミングコントロール機構(VTC)との組み合わせにより、吸気バルブの位相(開弁時期)、作動角(開弁期間)とリフト量の全てを連続的に制御できる。吸気抵抗を低減し、アクセル操作に対し吸入空気の応答がよく、ハイレスポンス、高出力、低燃費などを実現した。

保管場所
製作(製造)年 2007
製作者(社) 日産自動車株式会社
資料の種類 量産品
現状 市販中
型式 / 製作
型式
VQ37VHR、 VK50VE 及び VK56VDに搭載
種類
ガソリン
会社名
日産自動車株式会社
通称名
VVELシステム
搭載車種
フーガ(KY51)、スカイラインクーペ(CKV36)、フェアレディZ(Z34)及び海外向けInfiniti QX80、Infiniti Q70L、Infiniti Q70、Infiniti QX70、Infiniti QX50(J50)、Infiniti Q50など
諸元
シリンダ配列・数
V型6気筒
(以下、フーガ(VQ37VHRエンジン搭載車)について記載)
サイクル/冷却方式
4サイクル/水冷
弁型式/数
DOHCチェーン駆動,吸気2排気2
燃焼室
ペントルーフ形
総排気量
3,696cc
内径×行程
95.5×86.0mm
圧縮比
11.0(無鉛プレミアム)
点火システム
フルトランジスタ式,バッテリ点火
性能
最高出力
245kW/7000rpm(ネット)
最大トルク
363N・m/5200rpm(ネット)
燃料消費率
8.9~9.4km/L
エピソード・話題性第58回 自動車技術会 技術開発賞 受賞
特徴本機構を連続的に変化させることで、常に最適なバルブリフト量に制御できるため、全運転領域でトルクが向上している。燃焼室直前の吸気バルブで吸入空気量を直接コントロールするため、加速開始時から素早く空気が吸入されるため、アクセルレスポンスが向上する。また吸気弁早閉じによるポンプロスとフリクションの低減により、約10%燃費が向上する。さらに、エンジンが冷えている際の始動時に、吸気バルブの閉じるタイミングを適正化し、点火時期を遅らせることで排出ガス温度を上げて触媒を早期活性化。吸気バルブのリフト量を小さくすることで、吸気流速を上げて、燃料を微粒化し完全燃焼しやすい状態にし、不完全燃焼時に発生しやすいHC(ハイドロカーボン)排出量も低減する。
参考文献日産自動車ホームページ、日産技報 No.64 (2009-03)